優しさを表すこと1

私はある時期から愛情に餓え始めていたのではないだろうか。
いつからと正確に言えないが。
姉私弟の三人兄弟として育った。
父親は無口だった。優しいというより、いるという父親の役割子供に対していた。
親父は子供に対し個人としての関心は無かったと思える。
まして、育てようと積極的には思ってはいなかったのではないだろうか。時間による成長にまかせていただけではなかっただろうか。
母は働きに出ていた。
風邪をひいても1人で寝ていた。
鍵っ子だった。
18歳で社会に出てからは、早く家庭を持ちたいと思っていた。
職場では負けてはいけないと絶えず強気でいた。
失敗も多く自ずと、職場で結婚相手は見つからなかった。
私の日頃を知らない今の妻が私を良く思ってくれたので結婚できた。
今も飢えを感じるから、ある時期からずっと続いていることになる。
ごく最近になって愛に餓えているのは、私だけでないことに気がついた。
もしかしたら、全てのひとが愛情に餓えている。