Sさん通信

日曜日の朝、私がSさんの部屋のドアを叩き扉を開けると、ベッドのそばの簡易トイレですわっていた。
私はすぐに閉めてリビングに移ったが、Sさんは、用を済ましたあと、背中が痒かったらしく孫の手をとるため歩いて転んでしまった。
病院に連れて行こうと自家用車に乗せようとしたが、痛がって乗せれない。
仕方なく救急車を呼び、行き先は市民病院になった。
大腿骨骨折だった。
1日2日経っうちにSさんの様子が変わった。
夜2時に娘に電話があり、妻でなく私に代われと言っているらしい。
おばあちゃん怖い、ごめんね起こしてと娘は言い私にスマートホンを渡してくれた。
眠っていたこともあり、何を言い出したか分からなかったが、分かりかけた。
変だという、ここは何処だ、私に何をしたのか、殺される、きちがいにさせられる、とも。