Sさん通信パート2 7

女房と見舞いに行くと隣のベッドの女性が話し掛けて来た。
伊勢神宮で転んで両足を骨折したらしい。
そのいきさつを話して来た。
一通り聞いた後、私は、Sさんの方に顔を向けた。
Sさんも話わ切ろうと、それではと言ったが止めようとしない。
女房がこれ洗濯するのとSさんに聞いたら、その女性が、その靴下は・・・、と、言い始めた。
Sさんも女房も私もこれには参った。
寝言も大きな声で言ったと本人も言っていた、何でも鎖で十字に巻かれ金庫の中に閉じ込められた人が外に出てくるとか、それで息子のYさんとHさんが見舞いに来たので柵を取ってと言ったがしないのでどうしてと言ったらしい。
相手は患者だから怒鳴る訳にはいかない。
困ったどうしようと二人で相談できるはと一つ下の階でうろうろと探していたら、リハビリの臨床医が出てきてどうしましたという、渡りに船。
部屋を替えることにした。
ひとり部屋に。