母のこと10

母は、美人の部類に入る。幼い頃から自慢の母だ。
話もうまいし笑いの押さえ所も知っている。
あの厳しい父親に育てられているから人を見る眼もある。
だから、評価は厳しい。
私が子どものころ、母と父はいずれ別れるのではと思っていた。
その時子どもに選択権が有ったとしたら、姉と弟は母を選ぶだろうから私は父が可哀想だから父に付こうと思っていた。
実際にはそんなことは起きなかったから、夫婦の事は実の子供にも分からないものだと思う。