Sさん通信パート6 1

8月5日深夜2時に娘のK子さんが寝ている妻M子さんを起こしにきた。
Sさんが、足が痛いM子M子と呼び続けているらしい。
クーラーの風が足に当たっているから切ってと言っているという。
M子さんはクーラー切ってあげてと言っただけで起きない。
今起きたら、朝からだがえらいと深い眠りの中で精一杯と思えた。
下からK子さんの声が少し聞こえる。
私は、使っている遠赤外線の毛布を持って一階に降りた。
Sさんの部屋に入ると煌々とした灯りの下でK子さんがSさんの足を擦っている。
クーラーは切ったよ。と言った。
私は、毛布で足を念入りにくるみ、身体は上に置く程度にした。
暑いとはだける可能性があった。
これで眠りに入れれば良いが。
と思った時だった。
顎を突き出す形で枕には後頭部が乗っているだけと気が付いた。