Sさん通信

4月14日、家に帰り玄関からリビングを見るとSさんの姿が見えない。
Sさんの部屋は暗かったからリビングにいると思っていた。
リビングに入るとSさんが台所近くまで車椅子を入れていた。
M子さんはお帰りと言ったすぐに、ここまでお母さんが来てるから邪魔でしょうがないと嘆いた。
もう自分では戻れなくなる位置まで入り込んでいた。
車椅子をリビングの中央まで出して、テレビの方向に向かせてから、しばらくしてから切ったりんごをどうぞとテーブルに置いた。
すみません、と言うがなかなかテーブルまで動きが悪い、斜めの位置から手を伸ばそうとするから、まっすぐといいながら車椅子を直した。
私が牛乳をああため飲み始めた頃、M子さんのおいしいわと言う声が聞こえた。