Sさん通信

4月28日朝2時30分。
呼ぶ声がした気がした。
M子さんのいびきかも知れないとも思った。
が、M子さんはいびきをしているが、同じタイミングで声が聞こえる気がした。
2階の襖を開けた途端にSさんの声が下から聞こえてきた。
隣のTさん家からも、その内に文句を言ってくるかもしれないと思えるくらいに大きな声だ。
Sさんの部屋に入ってみると、蒲団を剥がしている。
何時だと思っているんですかと、時計を指差すと2時30分だと気が付いたが、すぐに足が痛いんですと言う。
蒲団をはがしたら、こむら返りを起こすに決まっている。
蒲団を掛けてトイレに行った。
私もレッグウォーマーをしているから、トイレをすました後タンスから出して、着けてあげた。
眠れないなぁ、でも何んだかSさんの呼ぶ声がする。
聞き耳すると確かに声がしている。
途端に全身に緊張が走った。
すぐに起きて襖を開けると今度は私を呼んでいる。
Sさんの部屋に行くと靴下を履かせて欲しいと言う。
しかし、こんなことを毎日されては身が持たない。