10月8日朝

起きてから、すぐに部屋を覗くと、身体が曲がったままなのか、頭が窓の方にずれているのが判った。
顎が上を向いたままの姿勢で眠っては、いる。
布団がはがれていないから、一度も目をさましてはいないようだ。襖は少し開けたままにしておく。
M子さんに今日はどういう日か聞くと、9時にリハビリに来るから、まだ、起こさなくていいと言う。
じゃぁと、トイレ、歯みがき、髭反り、新聞紙取り、着替え、自分のスケジュールをひととおり終えたところで、自分とSさんのヨーグルトを用意した。
M子さんはヨーグルトを食べない。
ふすまの隙間から部屋を覗くと、今度は、布団をはねている。
一端は起きたのだろう。
ただ、見ているうちには、身体動かなかった。
新聞を読みながら食事を済ませ、歯を磨いて、今日飲むお茶を用意し、鞄に着替えの衣類も準備し終わった。
このタイミングで部屋を覗くと上半身が動いて、何か言っている。
部屋に入って、布団をベッドから下ろし、起こそうとしたら、夢を見たと気味の悪い話をし始めた。
時間もないし、起きてください、トイレに行きましょうと言って続きを聞かないようにした。
首の下に腕を入れ、ベッドから足を降ろす形で座らせ、自分で車椅子に移らせ、トイレの前まで移動し、出掛けるので、ここで待っていてくださいと言ってからM子さんに待ってもらっていると伝えた。
私は、用意された弁当を鞄な詰め家を出た。
こういう時は、忘れ物をしがちだ、やっぱり、ビターチョコレートを鞄に入れ忘れている。
昼休みの楽しみが減ってしまった。