人のこと言えない

Sさんは食べている途中でちかごろ咳き込むことが多い。
食道にいくべきものが気管支に入り込む。
足の感覚が低下したように、喉での気体と流動体の識別能力が低下したからだと思う。
理学療養士が言うには、筋肉の低下が原因だから運動で防ぐことができると言う。
毎日のリハビリに5種類の運動メニューが渡されている。
ところが、Sさんはこれを怠ける。
言われてやるが、自らはしない。
忘れているのではない、しないといけないとは考えないかのようだ。
私がやろうと言い、はい、出す息が分かるように唇を狭くして、鼻で息を深く吸って、とやりはじめた。
Sさんは、それを続かなく成るから軽い感じでいいですよ、と先生が言っていたと言う。
じゃぁ、そうしたら、と手伝うのをやめ、それとなく見ていたら、テレビを見続けている。
メニューのボードは膝の上。
怠けてばかりだ。
わたしだったら、頑張っているだろうかと言うと今は何とでも言える。
今私が、体力維持になにか習慣化できているものが有るのかというとあまり無い。
シワが出来るのも筋肉の低下が原因だと聞くし、老いを感じさせる原因が全て筋肉の低下であるなら、私の容姿の劣化は日頃の使うべき筋肉運動を怠けたからと言うことになる。