母のこと5

早く嫁に出さないといけない。
だが、いとこどおしでも、と周りが言っているのを祖父は犬じゃあるまいしと毛嫌いした。
そして、祖母の兄の妻の兄弟の子どもである父が候補に上がった。
百姓家にやるつもりは無いと祖父は言っていたらしいが義理の兄からの縁談にケチはつけられなかったようだ。
街中の娘と百姓家の次男坊が一緒になった。
わたしには、想像できない、親兄弟と一緒に新婚生活が始まったのだ。
当時7人兄弟のうち5人は残っていたはずだ。
本家だからまだ、多くの人の出入りがあった。
いくら大きな家だろうと当時だから部屋は少ない。
おまけに家の軒先に牛、山羊、鶏を飼っていた。
トイレは外だった。そういえばお風呂は何処にあったのだろうか。